我が家では昨年からブラックベリーを育てております。
植え付け時には丸裸の枝だったのが、春になってだいぶ葉が茂り、つぼみが付いてきてそろそろ花が咲くな~という5月も半ばごろ、よくよく見たら葉に赤い斑点が出ていることに気づきました。
この赤い斑点の正体と対処法について調べましたのでここにご紹介します。
ブラックベリーの葉に出る赤い斑点の様子
全部の葉に出ているわけではないですが、全体の3割程度に写真のような斑点の症状が出ています。

葉の外側の方が特に赤くなっています。
若い葉は枯れてしまっているものも…

症状があるのは葉の表だけで、裏側に異常はありません。
ブラックベリーを育てるのは初めてなもので最初はもともとそういうものなのかな?と思っていたのですが、枯れているのも出てくるとさすがにおかしいと思い始めました。
たまたま近所のよそのお家にブラックベリーを育てているところがあったので見せてもらったところ、このような症状はなくキレイな緑でした。
やはりなんかしらの異常があると思ってよいでしょう。
赤い斑点の原因とは??ブラックベリーの様子を観察して考える
虫の可能性
まず虫が付いていないか探しました。
ブラックベリーは害虫が付きにくく育てやすい果樹ですが、コガネムシやカイガラムシなどが付くことがあります。
葉裏や根元など念入りに探してみましたが見当たりません。
食害痕もないですし、どうやら原因は虫ではなさそうです。
病気の可能性
次にこのような症状のある病気を調べました。
赤い斑点の出る病気で調べると真っ先に出てくるのが赤星病です。
赤星病とは
春から初夏にかけて発生しやすい病気で、元はビャクシン類などでサビ病として発症し、雨風に乗って伝播。
初期は葉表面に赤やオレンジの斑点が発生。
進行すると葉裏にイソギンチャクのような毛羽の生えた病斑ができ、葉が枯れていく。
病気の発生時期といい症状といいかなり当てはまります。
ただこの病気、ナシやりんごなどに多く出るそうですがブラックベリーに出た事例が私が探した限りでは見つかりませんでした。
とは言うものの、赤星病が出るのはバラ科とナシ亜科樹木とのことで、バラ科であるブラックベリーに出てもおかしくはないでしょう。
ビャクシン類とはいわゆるコニファーの一種。
庭木や公園の植栽としてポピュラーな植物です。
しかし私の住む地域はナシの生産地とも遠くなく、調べてみるとほとんど市全域でビャクシン類の規制が行われています。
一体どこから飛んできたというのか…
市境が近いので、他市から風に乗ってきたのかもしれません。
現状は葉裏に異変はないですがこれは初期段階だからでしょうか。
あまりに気持ちが悪いのでここには載せませんが、赤星病で画像検索すると葉裏のイソギンチャク様の病斑が出てきます。
今のところこのような症状はないのでまだ少し確信が持てません…。
初心者ガーデナーの味方!無料で相談できるアースガーデンLINE公式アカウントに聞いてみた
かなり高確率で赤星病な気もしますが、一応専門家に聞いてみたい…ということで困ったときのアースガーデンです。
アースガーデンLINE公式アカウントとは
アース製薬が運営するガーデニングお悩み相談アカウントです。
写真を送ったり植物の状態を説明すると、クマのまもるくんが丁寧にアドバイスしてくれるという初心者にはありがたすぎる存在です。
専門知識のある人に無料で、しかもこんな手軽に相談できるなんて本当に便利な時代ですね。
さっそくまもるくんに相談
写真を送ってまもるくんにこれが何なのか質問してみます。
詳しく状況の説明を求められ、それを元にアドバイスしてくれますよ。


やっぱり!!!!!
ということで赤星病確定です…。
原因がわかったら今度は対処していかねばなりません。
赤星病の対処法
症状の出ている葉を取り除く
まずまもるくんにも言われた通り、斑点の出ている葉を取り除き、病気の拡大を防ぎます。
この日斑点の出ている葉を全て取りましたが、数日後もう一度確認してみると新たに症状の出ている葉を発見しました。
一度で安心せず、何回もチェックすることが必要なようです。
薬剤の散布
ホームセンターで聞いたところ、赤星病に有効な薬剤はサンケイのエムダイファー水和剤とオーソサイド水和剤であるとのことでした。
ただどちらも「予防剤」と書いてあるのが気になるところ…発症後の治療に効果があるのかは不明ですが、ホームセンターで購入できる薬剤に他に赤星病に有効なものが無かったので、とりあえずエムダイファー水和剤を試してみることにします。

エムダイファーの箱には適用病害名に「赤星病」の記載があります。

作物名は「なし」となっていますが。
ブラックベリーはそんなにポピュラーな果樹ではないから省略されているのでしょうか。
薬剤散布の手順
散布薬を作る
1箱には10袋入っていますが、この1袋で1ℓの散布薬が作れます。
今回私は250㎖の容器を使用したので、1/4袋を水に溶かします。

今回使用したスプレーボトル
うちのブラックベリーはまだそんなに大きくないので小さなスプレーで充分でしたが、広範囲であれば噴霧器などを使用するといいと思います。
散布時の注意
小さなスプレーで少しだから大丈夫かな…と思っても結構薬剤が風で煽られてあちこちに飛んでいきます。
皮膚に付かないよう手袋、長袖長ズボン、マスクなどを着用した方がよいです。
また強風の日はやめましょう。
私はいつもは子供と一緒に庭作業をするのですが、今回こればかりは私一人で行いました。
お子さんだけでなくペットなど飼ってるお宅でも注意が必要です。
住宅密集地では隣近所にも配慮しましょう。
薬剤が流されないよう散布後もしばらく降雨のない日を選びましょう。
散布
説明書には昼間の高温時は避け、朝か夕方に散布するよう書かれています。
私は今回朝に行いました。
葉表だけでなく葉裏や枝にもまんべんなく散布します。
対処後の経過とまとめ
薬剤散布以降は症状の出てる葉がないかを毎日チェックし、見つけたらその度取り除いていきました。

まだたまに見つかります…
数日おきに斑点のある葉が見つかりますが、心なしか勢いは落ち着いた…かな???
10日ほど経った頃

花が終わり実ができかけてきました!
収穫が近くなるのでエムダイファー水和剤はこれ以上使うのはやめ、食酢100%で収穫直前まで使えるというアース製薬のやさお酢を使うことに。
お酢では赤星病に明確な効果はないでしょうが、ある程度の殺菌効果があるのは確かなのでやらないよりはいいと思います。
赤星病の菌はビャクシン類から雨風に乗ってやってきますから、雨や強風の翌日には散布するようにしました。
他の病気や害虫の予防にもなりますしね。
6月になり追肥も行いました。
葉はだいぶなくなってしまいましたが、元気のある葉もそれなりに残っていますし株全体の勢いは衰えてはいません。

なんとかこのまま収穫まで持込そうです。
7月。
実がだいぶ熟してきました。

もう少しで収穫できそうです。
相変わらずたまに斑点のある葉は見つかりますが、以前に比べて悪化してる様子はありません。
葉裏にも毛羽が出ることがなくここまで来ていますので、どうやら病気の進行は食い止められたようです。
追記。(8/31)
その後も株が弱まることもなく、無事に全ての実を収穫することができました!
まだ一年目なので数は少ないですが、ジャムにでもしようと思い全て冷凍保存してあります。
葉もそれ以降赤い斑点は出なくなり、青々とした葉が茂っています。
新しい茎もぐんぐん伸びてきて元気いっぱいです。
病気にかかりにくい果樹として知られているブラックベリーですが、やはりまったく病気の心配がないわけではないということがよく分かりました。
バラのように病気にかかりやすい植物はちょっと調べれば対処法が山ほど出てきますが、ブラックベリーは病気にかかりにくいだけに調べても事例がほとんど出てこず、情報の少なさに今回かなり悩みました。
私と同じようにブラックベリーに異変を感じて調べた人に、このページが少しでも参考になれば幸いです。